1/20/2017

トレーニング効果の個人差

ネタ元
 ↓
Individual Differences: The Most Important Consideration for Your Fitness Results that Science Doesn’t Tell You
https://bretcontreras.com/individual-differences-important-consideration-fitness-results-science-doesnt-tell/

James Krieger と Bret Contreras が書いた記事。

個人差の話。

トレーニング効果やダイエット効果や健康効果などを扱う研究は大量にあるが、それらの科学研究が示すデータはほとんどが平均値であって、ある特定の個人への効果を保証するものではない。そしてこれらの効果には大きな個人差があることが示されている。

個人差が出る原因としては、遺伝子による差もあるし、年齢や性別による差もあるし、その時の環境(栄養状態やストレス状況)の影響もある。



★有酸素運動
有酸素運動の継続による有酸素運動能力の向上やインスリン感受性の改善にも個人差があるが、ここでは体脂肪減少を目的とした場合の有酸素運動の効果の個人差を見ていく。

・食欲への影響
有酸素運動を50分間行い、その後のカロリー摂取への影響を調べた研究がある。低強度の有酸素運動をするとお腹が減ってそのあとたくさん食べることで、運動で消費したカロリーは埋め合わされてしまうのか。それともそれほど食べずに、トータルではカロリー不足の状態になるのか。

下のグラフがその結果で、破線が有酸素運動で消費した分のカロリー。この破線より上のカロリー摂取の人は運動で消費した以上に食べたことになる。破線より下の人は運動で消費したカロリーほど食べなかったことになる。0.00の線より下の人は運動後に普段よりも食べなかったことになる。被験者は全員女性。

有酸素運動後に食欲が増して、もしくは運動でカロリー消費したからたくさん食べでもいいだろうと考えて、運動した以上に食べてしまう人は、ダイエット目的では無理に有酸素運動を行わない方が良いだろう。研究では、食べ過ぎてしまう人は、高脂質で甘い食べ物を好み、そういった食べ物を食べると快楽を感じる傾向があることが示されている。ケーキやソフトクリームが大好きな人は、有酸素運動後の暴食に注意した方が良いだろう。有酸素運動で食欲が増す場合は、インターバルトレーニングなど他のタイプの運動でカロリー消費をするのも選択肢になる。有酸素運動をしても食べ過ぎず、ダイエットが順調に行く人は、そのまま怪我をしない範囲で有酸素運動を続けるのが良いだろう。

(記事では最大心拍数の50%の低強度有酸素運動と書かれているけど、リンク先の論文のアブストラクトでは最大心拍数の70%の高強度運動と書かれている。論文の本文を読めないので記事の記述が間違いなのか、リンク貼り間違いなのか確認ができない。ただ運動後の食欲への反応の個人差があるのは事実なので、運動後の自分の食欲反応に注意するのが良いだろう)


・NEATへの影響
摂取カロリーの増減によるNEATの変動には大きな個人差があって、例えばカロリーオーバーの食事を続けてもその大部分をNEATの増加(無意識に無駄に動くようになる)で相殺してあまり太らない浪費型の体質の人もいれば、食べすぎた分はしっかり体脂肪として蓄える倹約型の体質の人もいる。

運動によるNEATの変動にも個人差がある。

運動をすると身体活動によるトータルのカロリー消費が増える人もいるけど、逆に自発的な動き(NEAT)が少なくなり身体活動によるトータルのカロリー消費が減る人がいる。以下のグラフは閉経後の女性が運動(早足で歩く)を生活に取り入れた際の、身体活動による消費カロリー(運動+NEAT)を調べたもの。


運動後に疲れて座りっぱなしになったり、寝っ転がったりし続ける人は、無理にその運動しなくてもいいかもしれない。ただ体力の問題なのか遺伝子レベル(倹約型遺伝子か浪費型遺伝子か)の問題なのかわからない。体力の問題なら、続けていれば体力がついて運動後もアクティブな生活を送れる可能性がある。運動の種類を変えてみるという選択肢もある。


・睡眠への影響
一般的に運動は睡眠に良い影響を与えるが、強度の高い運動をすると睡眠に悪影響が出る人もいる。運動の強度が高いほど、また眠りにつく直前に運動するほど悪影響が出やすい。

睡眠の質と量を確保できないと健康に様々な悪影響が出るし、筋肥大もしにくい。睡眠に悪影響が出ている場合は運動内容を見直したほうが良い。寝る前にストレッチやマッサージや瞑想などを行って神経を落ち着かせるのも良いだろう。


・レジスタンストレーニングへの影響
レジスタンストレーニングのパフォーマンスに悪影響が出る場合は、有酸素運動の強度を落とすのが良い(レジスタンストレーニングの方が優先度が高い場合)。


・自制心への影響
メンタルに負荷がかかると、自制心は削られていく。自制心のキャパシティは有限。自制心が削られると、暴飲暴食したりする人もいる。運動を楽しく行えて、普段の生活でも快活に過ごせるなら良いが、運動が辛くてメンタルに負荷がかかって自制心が削られる人は、無理にその運動をしない方が良いだろう。運動の種類を変えたり、運動する時間や曜日を変えるのも選択肢。



★レジスタンストレーニング
同じトレーニング内容を続けても、筋肥大とストレングスの伸びには大きな個人差がある。

・筋肥大の個人差
トレーニング歴無しの若い男性が、4セット10レップのレッグエクステンションを週3回を9週間続けた研究。大腿四頭筋の生理学的断面積変化の被験者ごとの結果。なんと減少する人もいた。右端のバーが平均。点線はたぶん標準偏差。



・ストレングスの個人差
トレーニング歴無しの中高年男女が、ストレングストレーニングを週2回、21週間続けた研究。レッグエクステンションのアイソメトリックで発揮できる力の伸びの被験者ごとの結果。





★関節の可動域
下半身のエクササイズ種目は、健全な股関節の可動域を必要とするものが多いが、股関節の可動域には個人差がある。可動域限界までいってさらに曲げようとすると、骨盤が後継し腰が丸まり怪我をしやすい(いわゆるbutt wink)。肩関節も可動域に大きな個人差がある。

可動域が足りないのに正しいとされるフォームで完遂しようとすると、怪我をするリスクが高くなる。自分が無理なく関節を動かせる範囲でトレーニングを行う必要がある。



★筋肉のダメージ
筋肉のダメージ(筋肉痛)の回復には個人差がある。腱や靭帯の怪我のしやすさにも個人差がある。

筋肉痛が長期間残る場合は、トレーニング日あたりのボリュームを減らしたり、追い込み度を下げたり、筋肉が伸ばされた状態で強い負荷がかかる種目を避けたりする。



★まとめ
今後も色々と個人差の研究が出てくるだろう。

平均を示すエビデンスは叩き台としては使えるけど、結局自分に何が合っているかは試行錯誤して反応を見ていかないといけない。また初心者→中級者→上級者と向上していくに従い、その時の自分に合うトレーニングプログラムは変わってくる。

ちなみに遺伝子検査はあまり意味がないと思う。運動能力に影響を与える遺伝子は、それぞれの能力に対して数十か数百か、もしくはそれ以上存在するだろう。そして現時点ではごく一部しかわかっていない。



関連記事:遺伝的な要因による筋トレ効果の違い

1/11/2017

股関節の前側(腿の前側の付け根)の痛み


トレーニングをしていると股関節の前側が痛いときがある、またその痛みを予防したい人向けの記事。慢性的な痛みが続いていたり、歩くだけで痛いといった場合は病院に行った方が良い。

股関節の前側の痛みの原因には、いくつかの候補がある。トレーニングを行う人によく見られる痛みの原因とその対処法を書いていく。


1) 股関節の屈筋の問題(腸腰筋、大腿直筋)
日々の生活で座っている時間が長くて股関節の屈筋が固く縮こまっていると、それ自体で屈筋が痛む場合があるし、股関節のボールとソケットが動くスペースが狭まることで衝突が起き痛みが起こる場合もある。また股関節の屈筋が固く縮こまっていると腰痛も起こりやすい。股関節の屈筋が縮こまっていると骨盤が前傾して腰椎が過度に伸展しやすく、大腰筋が縮こまっていると腰椎が直接引っ張られて過度に伸展しやすい。左右差があると腰椎に捻じれも起こる。

それとウェイトトレーニングでは少ないと思うけど、股関節の屈筋が繰り返し伸ばされて炎症を起こしたり、急激に伸ばされて怪我をするケースもある。

股関節の屈筋が固いかどうかはトーマステストで調べられる。

動画:Thomas Flexor Stretch | hip flexor self test

固い場合はストレッチを行う。股関節の屈筋をストレッチする時は、同時に臀筋を強く収縮させると良い。


2) 骨の問題
大腿骨頭と、それが嵌まる骨盤のソケット部分のかみ合わせがあまり良くないと、股関節で衝突が起きる。スクワットで深くしゃがもうとすると股関節の前側が痛みそれ以上しゃがめない場合はこの可能性がある。深くしゃがむスクワットを止め、他の種目に切り替えて、痛みがなくなるか観察する。

参考サイト:股関節インピンジメント


3) 股関節の伸展をする時に臀筋をあまり使わずハムストリングスを主に使っている
臀筋をあまり使わずハムストリングスを主に使って股関節の伸展を行うと、大腿骨が前方に押し出され、股関節の前側で摩擦が起きたりする。ハムストリングスだけでなく臀筋もしっかり使って股関節の伸展を行うと、大腿骨頭がソケットにうまく嵌ってスムーズに動く。

この画像の上図が臀筋を使って股関節の伸展を行う様子。下図がハムストリングスを主に使って股関節の伸展を行う様子で、大腿骨頭が身体の前方に押し出されている。

このケースでは、痛みはあるけどスクワットで深くしゃがめる。また、ハムストリングスや内転筋が固く張っていたり、腰が痛む(腰が過度に反ることでの痛み)といった症状を伴うことがある。

スクワットとデッドリフトで臀筋をしっかり使っておらず股関節のロックアウトが出来ていない例を出すと、

スクワットはこんな感じ
動画:Bad Squat Finish: Incomplete Hip Extension

デッドリフトはこんな感じ。ちゃんと見てないけどたぶん言ってることは正しい。
動画:Deadlifting 315 lbs. with BAD FORM To Prove A Point

デッドリフトの動画から画像キャプチャして例を出すと、

1.ハムストリングスと腰で持ち上げて、臀筋が使えていない。

2.大腿四頭筋と腰で持ち上げて、臀筋が使えていない。

3.臀筋を使って股関節をロックアウト(良い例)。

上に挙げたような悪いフォームでトレーニングを行っている人は、股関節の前側やハムストリングスや腰を痛めるリスクが高いので注意した方が良い。臀筋を使って股関節の伸展を行うやり方を覚えるには、ヒップスラストをやるのが良いと思う。臀筋も集中的に鍛えられる。

参考記事:ヒップスラストのやり方

下の動画の1:30あたりから正しい股関節の使い方の実演がある。ヒップスラストもデッドリフトもスクワットも、ロックアウトの時の股関節の使い方は同じ。
動画:Proper Hip Thrust Form

臀筋を鍛えるには、アイソメトリックで臀筋を強く収縮させるのも良い。
動画:Half Kneeling Glute Posterior Tilt Hard Brace


4) 体幹が弱い
レッグレイズやデッドバグなど脚を上げ下げして腹筋を鍛える運動をする際、特に脚を下ろす時に股関節の前側が痛くなる場合。このケースでは体幹の筋肉が弱くて、代償として大腿直筋や縫工筋や腸腰筋といった股関節の屈筋が過度に働いている。

対処法は、腹筋下部と腹斜筋に強く力を入れる。ドローインしながらやるとやりやすい。これでも良くならない場合は、膝を曲げながら脚の上げ下げを行うと良い。



★まとめ
ウェイトトレーニングを行っている人に多いケースは、1)と3)の組み合わせだろう。対処法は、股関節の屈筋のストレッチと臀筋の強化を行い、股関節の正しい使い方を覚える。デッドバグやプランクで腹筋下部の強化も行った方が良い(参考記事:骨盤の前傾の矯正)。3)だけなら股関節の屈筋のストレッチは行わないほうが良いだろう。


参考サイト:
Troubleshooting Anterior Hip Pain
http://deansomerset.com/troubleshooting-anterior-hip-pain/

Hip Pain In Athletes: Understanding Femoral Anterior Glide Syndrome
http://ericcressey.com/newsletter150html

How Should I Treat My Sore, Tight Hip Flexors?
https://www.girlsgonestrong.com/blog/injury-prevention/ask-ann-how-should-i-treat-my-sore-and-tight-hip-flexor/

Squats and Hip Dysfunction: 2 Common Problems and How to Fix Them
https://breakingmuscle.com/learn/squats-and-hip-dysfunction-2-common-problems-and-how-to-fix-them

1/03/2017

胸椎の姿勢矯正

胸椎の姿勢矯正と可動域の確保の話。


★胸椎とは
胸椎は背骨の胸のあたり。下の背骨の画像の青い部分。

胸椎はニュートラル姿勢でもやや曲がっているが、過度に曲がっていたり(猫背)、可動域に問題があると、生活に支障がでる。ウェイトトレーニングの観点からは、ショルダープレスなどの肩のトレーニングが良いフォームで行えず、怪我をしやすくなる。BIG3も良いフォームで行えない。

座っている時間が長い生活をしていると猫背になりやすい。歳をとるほど悪い姿勢による歪みが蓄積されていき、また老化により自然に可動域が狭くなる。


★胸椎の役割
・胸椎の機能的役割は以下の三つ
- 肋骨の接合点
- 肩甲骨の接合点
- 可動性(曲がる・捻る)

・肋骨は肋間筋で相互接続されている。また斜角筋、横隔膜、腹直筋など呼吸に関係する筋肉の影響を受ける。

・呼吸は上半身の運動機能において重要な役割を果たす。
- 肋間筋が縮こまっていて横隔膜が圧迫されていると、背中が丸まって伸ばせなくなる。肩の動きや首の姿勢に問題も出る。
- 肋間筋が縮こまったままだと呼吸において役割を果たせなくなり、横隔膜のみで呼吸を行うようになる。この状態だと呼吸で腹部のみが動く。
- 深く息を吸って吐く際には、機能が正常なら肋骨の上部と下部、腹部が大きく膨らんでもとに戻る。
- 胸椎が伸ばせないと、肩甲骨の動きが制限され、肩の働きに問題がでる。
- 座っている時間が長いと、胸椎が過度に曲がった状態で固定され、また呼吸も正常に行えなくなる。
- 胸椎の可動性が足りないと、背中の曲げ伸ばしが他の部分、例えば腰椎で行われる


★可動性チェック
・胸椎の横方向の曲がり
背骨の一箇所が曲がるのではなくて全体的に均等に曲がるのが良い。年齢にもよるが左右とも45度くらい曲がるのが目安。
動画:Lateral flexion spinal assessment

・胸椎の捻り
動画:3-point T-spine rotations

・胸椎の伸展
動画:T-spine extension

・肩甲骨の可動性
腕を真っすぐ伸ばして行う。上腕二頭筋が耳をこするのをイメージ。
動画:Supine Shoulder Flexion

。胸椎の伸展と捻り
動画:1-arm Overhead squat

これらの動作は矯正エクササイズとしても有効。


★矯正エクササイズ
・呼吸
- 背筋を伸ばして座って最大限に息を吸い込む。

- ゴムチューブを胸に巻いてチューブが伸びるように息を吸い込む。
動画:Banded Breathing

- 腕を頭の上にあげる時に息を大きく吸い込む。
動画:Supine Shoulder Flexion

- 胸椎の伸展と捻り。ランジの姿勢で腕を上げる 動画
動画:Box lunge & rotate

・胸椎の伸展と首の位置の矯正

動画:Sun Dogs

動画:Cable Face Pulls

・捻りの可動性確保
胸椎の捻りはウェイトトレーニング種目ではほとんど使わないけど、スポーツや日常動作(歩行や腕を前に伸ばして物を取る動きなど)ではとても重要。以下の捻りエクササイズでは、腰椎や肩関節を捻るのではなくて、胸椎を捻ることを意識する。

動画:bent over rotations

動画:Side Lying Extension Rotation

・肩後部の強化
水平方向のプル動作。留意点は、
- 胸を前に押しだすイメージで行うと胸椎が伸展されやすく、上背部の筋肉も動員しやすい。
- 顎を引く
動画:chin tuck hanging rows

・色々角度での肩後部の安定性。ベンチにうつ伏せに寝てダンベルを使うのも良いと思う。
動画:Cable wide arm altered Pollof Press



参考サイト:
All Things Thoracic Spine Part 1: Functional Anatomy
http://deansomerset.com/all-things-thoracic-spine-part-1-functional-anatomy/

All Things Thoracic Spine Part Two: Assessments and Figuring it All Out
http://deansomerset.com/all-things-thoracic-spine-part-two-assessments-and-figuring-it-all-out/

All Things Thoracic Spine Part 3: Corrective Strategies
http://deansomerset.com/all-things-thoracic-spine-part-3-corrective-strategies/

12/24/2016

セット間インターバルの決め方

筋肥大を目的としたウェイトトレーニングにおいてはセットの間にどれくらい休むと良いか。

以前の研究で、8-12レップのトレーニングでは休憩時間が長い方が2セット目以降に十分に回復できるのでトータルのトレーニングボリュームが多くなって、筋肥大効果が高いという結果が出た。最新の研究では、軽い重量(40%1RM)・高レップのいわゆるパンプトレーニングでも、短い休憩時間(30秒)よりも長い休憩時間(2分半)の方がトレーニングボリュームが多くなって筋肥大効果が高い傾向があったという結果が出ている。

セット間休憩を短くすることでアナボリックホルモンがドバドバでて筋肥大に効果的というホルモン仮説は、現在では否定されつつある。

筋肥大に重要なのは、トータルのトレーニングボリューム。セット間のインターバルは、トータルのトレーニングボリュームを稼げるかどうかという観点から決めるのが良い。

参考記事:筋肥大トレの推奨ボリューム

一般的にトレーニングボリュームは、重量×セット数×レップ数で表される。

ボリュームの話も細かく考えると複雑で、限界近くまでやるのと限界にほど遠いところ(例えば10RMの重量で5レップとか)で止めるのとでは、トータルボリュームを同じにしても前者の方が筋肥大効果は大きいだろう。また例えば80%1RMの重量と40%1RMの重量で同じセット数を限界レップまでやった場合は、40%1RMの方がボリュームは稼げるだろうけど、現状のエビデンスからは筋肥大効果は同程度だと思われる。フルレンジとパーシャルだとパーシャルの方がボリュームは増やせるだろうけど、筋肥大効果が高くなるかというとそうではないだろう。とまあ細かいことを考えだしたらきりがないのだけど、大雑把なボリュームの指標としては、重量×セット数×レップ数で良いと思う。軽い重量でレップ数が多い場合は、セット数で管理すると良いと思う。


セット間インターバルに話を戻すと、休憩時間が短すぎると次のセット開始時にあまり回復しておらず、レップ数もしくは重量がガクンと落ちる。つまりトレーニングボリュームが低下する。

どうやってインターバルを決めればよいかというと、次のセット以降にボリュームが大幅に低下しない程度に回復できるだけ休む。2セット目以降にレップ数もしくは重量が少しずつ落ちていくのは仕方がないが、例えば12RMくらいの重量で10レップ前後を3セットやるつもりが、2セット目が6レップとかになるのは落ちすぎだろう。

どの程度休めば回復するかは種目によって違うし、個人の回復力、扱う重量、フォーム、各セットの追い込み度合いによっても異なるだろう。

一般的には、デッドリフトやスクワットなど全身に強い負荷がかかるフリーウェイトのコンパウンド種目は長めのインターバル(3分~5分程度)を取る。重量が増えるほど回復にも時間がかかるだろう。

フォームによっても必要な回復時間は異なるかもしれない。デッドリフトで腰の位置が高いフォームだと体幹に強い負荷がかかるので、そうではないフォームよりも回復に時間がかかるかもしれない。私はこのフォームだけど、デッドリフトでは脚と尻の筋肉と心肺が先に回復して、体幹の回復に時間がかかる。

単関節種目は短めのインターバル(1分~2分程度)で良いだろう。スーパーセット法(拮抗筋同士を交互にトレーニングする)で行うと時間短縮できる。

インターバルを短くすると代謝ストレスが上がりそれだけ筋肥大効果が高くなることが期待されるので、トレーニングのボリュームを減らさない範囲で、なるべく休憩時間を短くするのを目指すのも良いだろう。時間節約にもなる。

12/10/2016

ボディメイクガイド

トレーニングと栄養の項目については、大幅に加筆修正して書籍にまとめました。

電子書籍「ボディメイクガイド」リリース!

身体の使い方については、以下の記事にまとめました。

身体の使い方ガイド



★はじめに
1. 目標設定
時間・労力と成果の曲線を考える。他の多くの分野と同じように、ボディメイクにおいても収穫逓減の法則が働く。高いレベルを目指すほど、多大な時間・労力が必要になる。メディアなどでムキムキボディを披露している人は、もともと遺伝子に恵まれている上に莫大な時間と労力をつぎこんでいる。100%の成果を目指すのはそれで飯を食っている人、もしくは時間と体力に余裕がある人に限られる。自分がどれだけの時間と労力を使い、何%程度の成果を目指すのかを決める。

 2. 優先順位と重み付け
土台となる基本的な事柄を優先的してボディメイクを行うのが効率的。100点満点のテストで80点を取るには、マニアックな事柄を覚えるよりも基本的な事柄を覚えたほうが効率が良いのと同じ。ダイエットや筋トレに関してメディアではマニアックな事柄がフォーカスされることが多いけど、もっと基本的な事柄を意識した方が楽に大きなリターンを得られる。

3. ボディメイクプログラムの調整
優先順位と重み付けを意識してトレーニングと栄養管理を行っていく。ボディメイクプログラムは、その時点の自分に合ったものになるよう調整していく。アスリートやボディビルダーの真似をしても空回りするだけ。


★トレーニングと栄養の要素
本記事では、トレーニングと栄養の各要素を、重要度順にAランク、Bランク、Cランクに分ける。
トレーニング日が週に2回で、成果60%を目指す場合はAランクをしっかりやる。
トレーニング日が週に3,4回で、成果80%を目指す場合はAとBランクをしっかりやる。
トレーニング日が週に5,6回で、成果100%を目指す場合はAからCランクまで全部きっちりやる。
(ただし上半身のみ、下半身のみといった感じで鍛える部位を限定するなら、もっと少ないトレーニング頻度で100%を目指せる。)

わかりやすさのためにトレーニング回数と%の数字とランク分けは個人的な感覚で書いています。わかりやすさのためには犠牲にしないといけないものもある。

****************トレーニング****************




★★★トレーニングAランク★★★
◆筋肉への適切な負荷、良いフォーム
筋肉の発達には、まず筋肉に適切な負荷をかける必要がある。例えばレッグプレスマシンで膝をつっぱらせてガチャコンガチャコンやってる人をよく見るけど、そうやっても関節を痛めつけるだけだろう。筋肉の腹(筋肉の中央付近の膨らんでいるあたり)に負荷をかけるイメージで行うと良い。関節をつっぱったり、ダンベルを振り回したりしない。

フリーウェイトのコンパウンドは良いフォームでやればだいたい効くと思う。BIG3のやり方は一応以前に書いたけど、詳しくはstrengtheoryの記事を見るのが良いと思う。

BIG3に共通することだが、脚で生み出した力を上半身に乗っかっているバーベルに伝えるのに重要なのは、腹圧を高めて体幹を安定させることと、臀筋と広背筋に力を入れること。

参考記事:筋トレでの腹圧の高め方・体幹の固め方

参考記事:スクワットの基本ポイント

参考記事:butt winkの話

参考記事:スクワットの深さ

参考記事:怪我をしにくいベンチプレスのやり方

参考記事:ベンチプレスの基本ポイント

参考記事:ベンチプレスのバーの軌道

参考記事:ベンチプレスの肘の位置

参考記事:ベンチプレスの背中のアーチ

参考記事:デッドリフトのやり方

参考記事:デッドリフトにおける広背筋の重要性

参考記事: ロウ・プルのやり方

以下はstrengtheoryの記事へのリンク

How to Squat: The Definitive Guide

How to Bench: The Definitive Guide

How to Deadlift: The Definitive Guide

参考記事:ショルダープレス
 
最初から良いフォームで出来る可能性は低いので、慣れるまでは以下に気をつける。徐々に理想のフォームに近づけていけば良い。
- 関節や筋肉に痛みや違和感を感じたらすぐに止める。
- 5レップ以下しかできない重量では行わない。高重量はフォームが悪いと怪我のリスクが高くなる。男性はすぐに高重量でトレーニングしたがるけど、怪我をしたらトレーニングが出来なくなるばかりでなく日常生活にも支障が出る。
- ベンチプレスやスクワットなどフリーウェイトのコンパウンド種目は、フォームが崩れる限界まではやらない。限界までやらなくても十分な刺激が入るし、筋肉を追い込みたかったらマシンやアイソレートで追い込めば良い。そもそもコンパウンド種目で主に働く筋肉全てが同時に限界を迎えることはなく、通常はボトルネックになる筋肉が限界を迎えて、他の筋肉には余力がある状態で動作を続けられなくなる。だからフリーウェイトで限界までやったとしても、ボトルネック以外の筋肉は限界まで使われていない。


◆継続してトレーニングを行うこと
効果が表れるまでは継続してトレーニングを行う必要がある。

参考記事:ボディメイクの継続


◆漸進的過負荷
長期的には重量もトレーニングボリュームも増やしていく。身体は適応すべき刺激に対して適応する。身体が慣れたら、さらなる適応のためには刺激のレベルを上げる必要がある。じきに重量とボリュームを同時に上げられなくなるので、そうしたらピリオダイゼーションを考える。

参考記事:筋肥大トレの推奨ボリューム

参考記事:筋肥大トレの推奨ボリューム2

参考記事:効果が頭打ちになるトレーニングボリュームの研究


☆★★トレーニングBランク★★☆

◆疲労の管理
漸進的過負荷を続けていると、さらなる向上に必要な重量とボリュームが増えてくる。トレーニングをこなし回復するためのワークキャパシティも増加するが、じきに追いつかなくなる。疲労が蓄積すると、さらなる向上をもたらすだけのトレーニングが行えなくなる。疲労の管理が必要。

フリーウェイトのコンパウンドでは、動作を分割して全身疲労がたまらないようにする。デッドリフトやスクワットはそれだけで必要なボリュームをこなそうとすると全身疲労がきつくなる。動作を股関節の伸展、膝関節の伸展、背中の姿勢の維持に分解し、それらの動作を補助種目として行うことで、全身疲労を抑えながら筋肉に必要なボリュームを与えることが出来る。

トレーニング部位を分割する、トレーニングを軽くする期間を入れる、といったピリオダイゼーションを使うのも効果的。

参考記事:プラトー打破とピリオダイゼーション


◆追い込み度合い
フリーウェイトのコンパウンド種目は、限界まであと1レップ~3レップできる程度で止めるのが良い。全部セット限界までやろうとすると、2セット目以降のボリュームが落ちてトータルのボリュームを確保しにくく、また全身疲労が溜まりやすい、フォームが崩れて怪我しやすい、といったデメリットがある。ただ、たまには1RM、または3レップや5レップをどの重量まで出来るかといった測定を行うのもモチベーションの維持につながって良い。

参考記事:各セット限界まで追い込むべきか
 

◆ストレス
仕事が忙しくて睡眠不足、私生活に問題が起こって精神的なストレスがきついといった状況では身体がトレーニングのストレスに耐えられる許容量が低下する。このような状況で無理にハードトレーニングを行うと、苦しいだけで良い結果が出せなくなる。現状維持に必要な労力は、向上に必要な労力に比べて大幅に少なく済むので、ストレスがきつい時期は現状維持を目指すのが良い選択だろう。
減量時もトレーニングに対する許容量が低下するので、トレーニングボリュームを減らすのが良い。 重量はなるべく落とさない方が良いだろう。

参考記事:筋力と筋量の維持に必要なトレーニング量


◆エクササイズ種目の選択
初心者は種目を絞ってフォームを覚えるのを優先する。本格派を目指して段階的に種目を追加していくとしたら、
1) BIG3
2) 1)+ショルダープレス、ラットプルダウン、ローイング、腹筋群
3) 2)+BIG3の補助種目
4) 3)+腕と脚のカール/エクステンション

BIG3の補助種目は、インクラインベンチプレス、レッグプレス、ルーマニアンデッドリフトなど。大筋群を多角的に補完的に鍛える種目。コンパウンド種目では骨格やその人の筋力バランスによって負荷がかかりやすい筋肉とかかりにくい筋肉があるので、補助種目はそれを補完できるものを選択すると良い。

参考記事:骨格によるフォームの違い

見た目の面では以上のような感じで全身の大きな筋肉を鍛えられると思う。ただ、個人的には、身体のバランスを取って怪我を予防し、良い姿勢になるための補助エクササイズも行うのが良いと思う。

参考記事:バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-

参考記事:バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

参考記事:プッシュとプルのバランス

ヒップスラストを組み込むのも推奨。臀筋は下半身と上半身をつなぐ要の働きをする。
参考記事:ヒップスラストのやり方


☆☆★トレーニングCランク★☆☆
◆レップレンジ
ボディメイク目的の場合は、1セット6-12レップ程度で行うのが良い。どのレップ数でも限界近くまで行えば筋肥大は起こるが、疲労や怪我リスクを抑えつつトータルのボリュームを稼ぎやすいのは6-12レップ。一般的には、コンパウンドは6-8レップ程度がやりやすく、アイソレートは8-12レップ程度がやりやすいと思う。高みを目指すには、低レップも高レップも行うのが良いだろう。

参考記事:筋肥大トレのピリオダイゼーション


◆種目の実施順序
そのトレーニングセッションの最初の方にやる部位が効果が高い傾向がある。フレッシュな状態で取り組める。特に鍛えたい部位がある場合は、その種目を最初に行う。バランスを重視するなら、例えば上半身の日に胸側からやったら次回は背中側から、下半身の日に腿の前側からやったら次回は腿の後ろ側や尻から、といった感じで行うとバランスがとれる。ジムが混んでるなどの制約がある場合も工夫をすることで効果的なトレーニングを行うことが出来る。

参考記事:フレキシブルなトレーニングプログラムの組み立て方


◆頻度
回復ペースにもよるが一般的には各筋肉部位あたり週に2回が良いだろう。
- トレーニング日が週2回なら、各日とも全身をトレーニング。
- トレーニング日が週4回なら、上半身を2回、下半身を2回に分割。

参考記事:部位あたり週に何回トレーニングすべきか


◆セット間インターバル
参考記事:セット間インターバルの決め方


◆挙上テンポ、動作範囲(フルレンジかパーシャルか)
参考記事:筋肥大トレの変数調整

参考記事:レップ速度・挙上テンポが筋肥大とストレングスに与える影響

参考記事: パーシャルとフルレンジの筋肥大効果の比較

 

****************栄養****************




★★★栄養Aランク★★★
◆カロリー収支
体重の増減は基本的にはカロリー収支で決まる。
消費カロリー>摂取カロリーなら、マイナス分のカロリーが体脂肪がそれ以外の身体組織の燃焼により賄われ体重が減る。
消費カロリー<摂取カロリーなら、プラス分のカロリーが体脂肪かそれ以外の身体組織として蓄積され体重が増える。
ただ、運動をしたほうが食欲をコントロールしやすいと考えられるので、運動を積極的に行うのが良い。

参考記事:ダイエットの原則

参考記事:ダイエット方法の評価軸

参考記事:栄養素の貯蔵と引き出し

参考記事:夜食べると太るのか

参考記事:運動と食欲
 

◆マクロ栄養素
ボディメイクではタンパク質の摂取量を最も気にする必要がある。炭水化物と脂質は、どちらもほどほどに摂取するのが無難な選択。摂取するタンパク質と炭水化物と脂質(とアルコール)の量から、トータルの摂取カロリーが決まる。

一般的には、まずタンパク質の摂取量を決め、脂質が総カロリーの2,3割程度、残りのカロリーを炭水化物で摂取する。

参考記事:タンパク質摂取量の目安

参考記事:タンパク質摂取量と除脂肪体重の増加の関係(2020年のメタ解析)

参考記事:プロテインパウダーの選択


☆★★栄養Bランク★★☆
◆減量・増量
筋肉量を増やしたいときは、カロリー超過にするのが良い。体脂肪も同時に増えるが、筋肉量も速く増える。筋肉量も体脂肪も増えたら、今度はカロリー不足にして減量を行う。減量では、筋肉量を維持しつつ、体脂肪を優先的に減らすことを目指す。これを繰り返すことで、筋肉量が多く体脂肪率が低い身体を作ることが出来る。維持カロリーでも筋肉量は増えるけど、増加ペースは遅くなる。

減量も増量も、余地が大きいほどペースを速くしても良い。余地が小さくなったらペースを落とす。減量における余地とは、どれだけ体脂肪が残っているか。体脂肪率が高ければ、減量ペースを速くしても筋肉は減りにくい。増量における余地とは、どれだけ筋肉を増やす余地があるか。現時点であまり筋肉が付いていない身体なら、筋肉が増えるペースが速いので増量ペースも速くして良い。

体脂肪率10-20%の男性が減量をする場合、週あたり体重を0.5-1.0%減らしていくペースがおすすめ。体重70kgの人だったら、一週間で350-700gずつ体重を減らしていく。このペースだと筋肉量を維持しつつ、無理なく体脂肪率を減らせると思われる。一日500kcal程度のカロリー赤字にすると、一週間でだいたい500g体重が減る。

初心者で筋肉量が少なく体脂肪量が多い場合、また過去にトレーニングをしていて筋肉量が多かったことがあり現在は筋肉量が少なくなっている場合は、筋肉量を増やしつつ同時に体脂肪を減らすことが出来る。

参考記事:増量の考え方

参考記事:減量ペースの違いによる体組成変化と運動パフォーマンス変化

参考記事:増量時の栄養調整

参考記事:体重減少への代謝適応

参考記事:減量時の食事調整例

参考記事:減量時に助かるアイテム(※個人の感想です)

参考記事:増量と減量の移行期

参考記事:除脂肪量の増加と体脂肪量の減少を同時におこなうことは可能なのか?


◆ミクロ栄養素
なるべくサプリメントからではなく加工度の低い食品からミクロ栄養素を摂取しようと心がけるのが良いだろう。人体に必要なミクロ栄養素の全ては、現時点では解明されていない。またサプリメントと食品中のミクロ栄養素では、利用効率などが異なるケースがある。


◆タンパク質の質
動物性タンパクを十分に摂取する。肉、魚、乳製品をバランス良く食べる。

参考記事:タンパク質の種類と筋肥大
 
参考記事:低炭水化物食とタンパク質源の健康への影響


◆炭水化物の質
穀物やイモ類を中心にする。果糖(甘いものには大抵含まれている)は摂りすぎない方が良い。ほどほどに食べるぶんには問題ないだろう。繊維質は積極的に摂取する。

参考記事:果物の食べ方


◆脂質の質
- オメガ3脂肪酸を積極的に摂取する。青魚に多く含まれている。
- 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸はどちらもほどほどに摂取する。



☆☆★栄養Cランク★☆☆
◆栄養摂取タイミングと頻度
維持・増量時は1日1食といった極端なことをしない限りは、食事のタイミングと1日の回数はあまり気にしなくて良い。筋肉量を維持しながら低い体脂肪率を目指す場合は、ある程度は気にした方が良い。

参考記事:ゴールデンタイムはあるのか?

参考記事:ナチュラルボディビルダーがコンテストに向けて減量する時の推奨方法

参考記事:食事回数と量の配分

参考記事:炭水化物の摂取をサイクルさせるダイエット

参考記事:リフィード(もしくはチートデイ)の効率的なやりかた

参考記事:リフィードでの筋グリコーゲン回復に適した炭水化物

参考記事:リフィードの研究

参考記事:シクリカル・ケトジェニックダイエットの最新研究

参考記事:TRF(Time-Restricted Feeding)の研究


◆サプリメント
減量や筋肥大に効果のあるサプリメントはいくつかある。効果があるといっても、わずかな上積み効果なので、優先順位は低い。

参考記事:ダイエットに効果のあるサプリメント

参考記事:サプリメントの効果を調べるサイト

参考記事:クレアチンについて

参考記事:2020年時点の筋トレサプリメント評価(シトルリンリンゴ酸、硝酸塩、ホスファチジン酸、BCAA、HMB、ベタイン)

参考記事:マグネシウムと運動パフォーマンス

参考記事:ビタミンD摂取がストレングスと体組成変化に効果があったとする研究

参考記事:ビタミンDと運動パフォーマンス

参考記事:プロバイオティクスのスポーツへの利用


◇◆◇◆◇◆実践編◇◆◇◆◇◆
◆進捗管理
- 体重の増減の把握。水分、グリコーゲンの変化と、体脂肪の変化の峻別。
- ウェストサイズでの体脂肪の増減の把握


◆疲労管理
参考記事:疲労のメカニズム

参考記事:筋トレの疲労と回復方法

参考記事:運動からの疲労回復方法(2018年版)

参考記事:限界まで追い込んだ場合と追い込まなかった場合の回復の違い

参考記事:フレキシブルなトレーニングプログラムの組み立て方

参考記事:主働筋-拮抗筋のペアードセット

参考記事:連日トレーニング

参考記事: 歳を取ると筋トレからの疲労回復が遅くなるのか?


◆ストレッチとウォームアップ
参考記事:ストレッチとウォームアップ

参考記事:肩周りのストレッチ

参考記事:運動後のクールダウンの効果

◆メンタルトレーニング
参考記事:ストレングストレーニングにメンタルトレーニングを加えると効果アップ

参考記事:筋肉への意識と筋肥大の関係


◆反応の個人差
- 筋肉の成長速度や筋肉量の限界の個人差
- トレーニング内容への反応の個人差

参考記事:遺伝的な要因による筋トレ効果の違い 

参考記事:なかなか筋肥大しない場合

参考記事:トレーニングボリュームを被験者ごとに調整した研究


◆怪我対策
- 良いフォームでトレーニングを行う。
- 全身の筋肉のバランスを意識して筋肉の強化とストレッチを行う。特に肩と股関節は気をつけた方が良い。

参考記事:バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-

参考記事:バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

参考記事:プッシュとプルのバランス

参考記事:股関節の前側(腿の前側の付け根)の痛み

参考記事:胸椎の姿勢矯正

参考記事:骨盤の前傾の矯正

参考記事:膝の健康のために

参考記事:肩関節の基礎知識

参考記事:ローテーターカフの強化

参考記事:前鋸筋の動員

参考記事:肩の健康のために

参考記事:プレス動作のステップアップ

参考記事:懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

参考記事:[書籍] 姿勢の教科書

参考記事:肘の痛み

参考記事:腰痛について1~基礎知識~(Low Back Disorders)

参考記事:腰痛について2~予防~(Low Back Disorders)

参考記事:腰痛について3~リハビリとトレーニング~(Low Back Disorders)

参考記事:腰痛について4~推奨エクササイズ~(Low Back Disorders)

参考記事:腰痛の予防


◆ストレス管理

参考記事:ストレスについて-身体反応と管理方法-

◆女性のトレーニングと栄養
参考記事:女性の月経周期と合わせたトレーニングと栄養

ボディメイクの継続

筋肉の増加も体脂肪の減少も効果がはっきりと表れるまでに時間がかかる。一方で、トレーニングの実施や食事内容の管理といった労力はその場で必要になる。一般的に人間が好むのは、便益はすぐ手にして、費用は後払い(例えば家や車をローンで買う)。ボディメイクはその逆で、便益を手に入れるのには時間がかかり、費用はすぐ払わないといけない。従って、続けることが難しい。

どうすれば続けられるようになるか。これが簡単に出来れば巷にダイエット本が溢れ続けることはないわけで・・・。あまり詳しくないけど、どこかで見たような攻略法を書くと、

・コストのコントロール
ここでのコストは時間や労力など含めてのコスト。トレーニングを行うコストはなるべく下げる。例えば通うのに時間がかかるジムだと、だんだん億劫になってくる。遠くのゴールドジムより近くのフィットネスクラブ。ダイエットでは、食べるコストをなるべく上げる。すぐ食べられる高カロリーの食べ物は手の届く範囲に置かない。何か食べたかったら自炊するか外に出て買ってくるかしないといけなくする。

・苦しみを喜びに変換。
筋肉が悲鳴を上げればマッチョへの階段をまた一つ上がる! 空腹は体脂肪が減っている証! とその瞬間の苦しみを長期的な喜びにリンクさせる。

・小さな目標を設定
段階的に小さな目標を設定し、それをクリアする喜びを味わうことでモチベーションを維持する。目標達成という内部からの報酬を自分にこまめに与える。挙上重量だったり、体重だったり。ただし、無理に挙上重量を上げたり、水抜きなどで体重を落としたりしても意味がない。

・周囲に宣言
あらかじめ周囲に「○○やるぞ」と宣言する。諦めると自分の評判が下がるので、それを避けようと頑張る。レピュテーションリスクを利用するのだ。見栄を張りたい相手に宣言するのがいいと思う。

・大事なものを賭ける
目標を達成できなかったら、それを没収して良いという条件で、信頼できる人に自分の大事なものを預ける。失ったら困る金額のお金を預けるのも良い。

・仲間と励まし合う
目標や意欲のレベルが同じくらいじゃないとなかなか難しいけど、よい仲間と励ましあえればとても良いと思う。

・ゲーミフィケーション
最近はジムに通うとポイントが溜まったりするアプリがある。外部からの報酬を自分にこまめに与える。ゲーセンのパンチングマシーンでパンチ力の結果でアニメーションが変化するのと同じ感じで、トレーニングの重量やボリュームをアプリに入力するとアニメーションが表示されたり、ゲーム内のキャラが強くなったりするアプリがあると面白いと思う。

11/27/2016

[書籍] 姿勢の教科書

姿勢の教科書
竹井仁 著

最近、姿勢矯正に興味があるので読んでみた。姿勢に関わる骨格と筋肉のメカニズムを基本から学べる。また、よくあるアンバランスのケースが解説され、修正のためのエクササイズ例も載っている。

この本で扱われているアンバランスの主な例は、
- 腰椎の反り、フラット化
- 胸椎の過度な後彎(猫背)
- 脊柱側弯症
- 骨盤の前傾・後傾
- 骨盤の高さの左右差
- 寛骨の前傾・後傾(骨盤の捻じれ)
- 肩甲骨のアラインメント異常(いかり肩、なで肩、翼状肩甲)
- 膝関節の内反・外反
- 扁平足
- ストレートネック

施術者が読むことを想定しているのか、用語が専門的でとっつきにくいけど、図も豊富なので理解はしやすいと思う。姿勢の矯正、バランスの取れた身体に興味のある人にはとてもお薦めの本。

筋力のアンバランスやアラインメントのズレがあると、運動により怪我をしたり関節の痛みなどが出やすくなる。ウェイトトレーニングだと肩や腰や股関節や膝を痛めることが多い。ランニングだと膝が多いかな。

筋力のアンバランスがあると記録も伸びにくいし、姿勢が悪化して見た目も悪くなる。怪我をしやすくなるのでトレーニングが継続的に行えなくなって、身体面でもメンタル面でも停滞してしまう。

アンバランスがあるままトレーニングを続けると、強い筋肉ばかりつかって弱い筋肉は放置されるので、アンバランスがさらに拡大していく。自分の身体のバランスに何か問題があると思った場合は、早めに修正した方が良いと思う。


関連記事:
バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-

バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

骨盤の前傾の矯正

膝の健康のために

肩の健康のために

懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

11/20/2016

ヒップスラストのやり方



★ヒップスラストとスクワット・デッドリフトの比較
- ヒップスラストは股関節が伸びた時(直立した時の姿勢)に強い負荷がかかる。
- スクワット・デッドリフトは股関節が曲がった時(しゃがんだ時の姿勢)に強い負荷がかかる。

(人間が地面に立っている状態を想定して)
- ヒップスラストは水平方向の動きを鍛える(スプリントの動き)
- スクワット・デッドリフトは垂直方向の動きを鍛える(真上にジャンプする動き)

- ヒップスラストでは主に臀筋の上の方が肥大する。
- スクワット・デッドリフトでは主に臀筋の下の方が肥大する。

このようにヒップスラストは、スクワット・デッドリフトを補完するエクササイズになる。

その他のメリットとしては、
- デッドリフトやスクワットで、臀筋を使って正しくロックアウトできるようになる。
- 骨盤の前傾の矯正にも良い。
- 他のバーベル種目と同様に漸進的過負荷が容易に行える。
- 正しいフォームで行えば腰と膝への負担がとても軽い。
- フォームを覚えるのが簡単。
- 臀筋群が発達する。

などなどメリットが多数。プリプリしたいい尻を作りたかったら是非取り入れたい種目。

負荷の上げ方は、両脚自重→片脚自重→両脚荷重の順で行うのが手軽だろう。自重で床に寝て行うタイプはグルートブリッジ、ヒップリフトなどとも呼ばれる。

無理に負荷を上げても、腰を反らせて背中の力を使ったりして臀筋群がちゃんと鍛えられないので、最初は軽めの負荷で臀筋群をしっかり収縮させることを意識する。


★自重で床に寝て行うやり方
- 床に仰向けに寝る。股関節は135度くらい、膝は90度くらい。足幅は肩幅くらい。つま先は前向き、もしくはわずかに開く。
- かかとで踏ん張り、臀筋群を使って尻を持ち上げる。腰を反らせたり、つま先加重で大腿四頭筋に力をいれたりしないこと。
- 大腿と胴体が直線になったら臀筋群を強く収縮させ、あとちょっとだけ押し上げる。股関節は180度を越える伸展になり、骨盤はわずかに後傾する。


★ベンチに背中を乗せてバーベルを使ってのヒップスラストのやり方
- 肩甲骨の下端あたりがベンチに接する。もしくはもうちょっと背中の下の方が接しても良い。
- ベンチと接した点は動作中はずらさず回転の中心にする。
- 適度に腕を曲げてバーが腿と胴体の境目からずれないようにする。肩をすくめないように。
- トップポジションで脛が垂直になるようにする。
- つま先は前向き、もしくはわずかに開く
- 色々試して自分が臀筋群に最も力を入れやすいやりかたを見つけると良い。
- 一気に持ち上げない。体幹を固め、臀筋群でバーベルを上げることを意識する。
- 大腿と胴体が直線になったら、臀筋群を強く収縮させさらに少し押し上げる。腰を反らせないこと。
- トップポジションでしっかり押し込めない場合は、重量が重すぎるか、股関節の屈筋(大腿直筋や腸腰筋)が固いか。前者の場合は重量を落とす。後者の場合は股関節の屈筋のストレッチを行う。
- ネガティブ動作では、臀筋群に荷重を感じながらバーベルをコントロールしつつ下ろす。
- レップの継ぎ目に床に尻をつけるか、それとも空中で反転させ次のレップに入るかは、自分がやりやすい方で良い。


★その他
- 首をそらして仰け反ると背中が過度に伸展して、背中の力で持ち上げることになる。高重量でこれをやると腰を痛めるリスクがある。デッドリフトのロックアウトと同じで、仰け反らずに臀筋群の力でロックアウトするのが良い。顎を引き、視線を真上ではなくて前の方に向けると、仰け反りを抑制しやすい。
Proper Hip Thrust Form


- バーベルにはスクワット用のパッドなどを巻いたほうが良い。

- 20kgプレートを使うと重すぎる場合は、デッドリフトで持ち上げてベンチに腰掛けて、床にずり落ちればOK。
How to get under the bar: Glute Bridge


※追記
★背中の固め方とベンチに接する部分の負荷分散

 背中と一緒に上腕の肘に近い部分もベンチの縁に乗せると、背中への負荷が分散される。



参考サイト:
How to Hip Thrust
https://bretcontreras.com/how-to-hip-thrust/

11/13/2016

バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-

前回の記事(バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-)の続き

★一般的なトレーニングプログラムに付け加えるべきエクササイズ
スクワット(レッグプレス)、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂(ラットプルダウン)、ローイング、ショルダープレス、腕と脚のカールやエクステンションなどのアイソレート種目、といった一般的なトレーニングプログラムで生じる筋力のアンバランスと姿勢の悪化を防ぐために、付け加えた方が良いエクササイズを紹介していく。


個々人の骨格、筋力バランス、それまでのトレーニング歴などによって理想的なトレーニングプログラムは異なってくるけど、大雑把にバランスを取るにはどのようなエクササイズを行えば良いか見る。以下に紹介するエクササイズを参考にして、自分が効かせやすいエクササイズを選び、バランスの取れたトレーニングプログラムを組むのが良いだろう。左右差がある場合もあるので、その場合はアンバランスが大きい側を重点的に行う。

アンバランスのなおしかたの基本は、

- 強くて縮んでいる筋肉を緩めて伸ばす
- 弱くて伸びている筋肉を鍛える


一般的なトレーニングプログラムを行う場合、この図の赤い部分の筋肉を緩めて伸ばし、青い部分の筋肉をしっかり鍛えることを意識する。

緩めて伸ばすのは、他人の手を借りず自分でやる場合は、フォームローラーと静的ストレッチが手軽で良い。フォームローラーのやり方は、ターゲットの部位に体重をかけながら、ゆっくりコロコロと動かし心地よい痛みを味合う。

弱くて伸びている筋肉を鍛えるときは、軽めの重量でターゲットの筋肉をしっかり収縮させることを意識する。特に肩周りでは細かい筋肉を鍛えるので、無理に重い重量を扱おうとすると力を入れやすい大きな筋肉が使われてしまって、細かい筋肉が働かずバランスがさらに悪くなってしまう。


★肩周り
・緩めて伸ばす部位:
大胸筋、三角筋前部、広背筋、肩甲骨まわり、胸椎

◇フォームローラー例

[大胸筋、三角筋前部]


[広背筋、大円筋]

Lat & Thoracic Cage Mobility On Foam Roller 広背筋にはこれも良い


[胸椎](肩甲骨のやや下から肩甲骨の真ん中あたりまでを行う)

◇ストレッチ例
[大胸筋]



[広背筋]




[僧帽筋上部]

[肩甲骨周り]
- 肩甲骨があまり動かない場合は、よくある肩甲骨剥がしのエクササイズなどをやると良い。肩甲骨の可動域を確保するのは怪我の予防に非常に重要。
- 肩甲骨の前傾は胸椎の過度の屈曲の矯正や小胸筋のストレッチ

[首]
- 首の後ろを伸ばして屈曲を鍛える




・主に鍛える動作:
上腕の外旋、水平方向の外転、肩甲骨の上方回旋、肩甲骨の外転、細かい筋肉による肩甲骨の下制

[上腕の外旋]
Cable External Rotation 可愛い。脇を締め胴体は捻らず上腕の外旋だけで行う。それと三角筋後部で引っ張らないように注意する。三角筋後部を使うと上腕骨頭が前方に動いて肩の前側がゴリゴリ当たる。


Cuban Press


The Face Pull


[水平方向の外転と肩甲骨の内転]
Seated Cable Rows 肩甲骨から動かし始めて腕は後からついてくる意識で。広背筋で重い重量を引かないように。

Seated Bent Over Rear Delt Raise 僧帽筋上部で引っ張り上げないように。シュラッグではないので。

[肩甲骨の上方回旋と挙上]
- 普通のシュラッグではなく腕を挙げてのシュラッグが良い。

EricCressey.com: Wall Slides with Overhead Shrug

Scaption with a shrug

[肩甲骨の外転]
- フルレンジでのプッシュアップや、肩甲骨プッシュアップ。前鋸筋を鍛える。

The Perfect Push Up - Do it right! ボトムでは肩甲骨を寄せ、トップでは肘を伸ばし肩甲骨を突き出す。

Scapula Pushup 肩甲骨のみ動かしてのプッシュアップ

1-Arm Quadruped Protraction 肩甲骨の動かし方がよくわからない場合は片腕ずつやるとわかりやすいかも。

TonyGentilcore.com Band Wall Walks このエクササイズは外旋と外転が同時に鍛えられる。バンドをはめていったん肩甲骨を寄せてから肘を前に突き出す。脇を締め肘を突き出した状態を維持するのに気をつけながら、腕をトコトコ上下に動かす。

[肩甲骨の下制]
ShoulderPerformance.com: Prone 1-arm Trap Raise 三角筋を使うのではなくて、僧帽筋下部を使う。肩甲骨を尾てい骨がある方向に引きつけて、腕はあとからついてくるイメージ。

Prone Cobra


★体幹・股関節
・緩めて伸ばす部位:
広背筋、脊柱起立筋群、ハムストリングス、股関節の屈筋、大腿四頭筋、内転筋群、腰方形筋

◇フォームローラー例

[内転筋群](個人的には仰向けの方がやりやすい)

[股関節の屈筋](男性は片脚ずつやったほうが良いかも)

[ハムストリングス]

◇ストレッチ例

[腰方形筋]

[ハムストリングス]

[股関節の屈筋]


[内転筋群]

・主に鍛える動作:
腹直筋下部、外腹斜筋、股関節の伸展、股関節の外転・外旋、

[腹直筋下部・外腹斜筋]
デッドバグ(dead bug)
腹直筋の下部と外腹斜筋を収縮し、骨盤を後傾し腰椎のアーチをフラットにする。背中全体が床にべたっと付くように。ドローインを同時に行うと骨盤を後傾しやすい。この骨盤と腰椎の姿勢をキープしたままデッドバグの動作を行う。(もちろんこの骨盤と背骨の位置でデッドリフトなどをやってはだめ)
初級編は、片脚を床すれすれに伸ばしてまた元の位置に戻す。強度を上げるには、両腕を同時に動かしたり、脚を上げたり。


プランク
関連記事:プランクのやり方

[股関節の外転・外旋]
- チューブを使うと良い。

X Band Walk

Athletic Mini Band Side Steps つま先は開き気味で、かかと側から足を運ぶようにすると良い。つま先から足を運ぶと、おそらく太ももの外側の筋肉を使ってしまう。

The Band Side Lying Clam

[股関節の伸展(臀筋群とハムストリングス)]
臀筋群はグルートブリッジ、ヒップスラスト
- かかとで踏ん張って、トップで膝が90度くらいになるように。腰椎はニュートラルのままで腰を反らせないよう注意する。トップで臀筋群を強く収縮させると良い。
- まずは両足自重。10レップくらい余裕なら片足自重。これも余裕ならバーベル使ってヒップスラスト。無理な重量でやると腰や大腿四頭筋を使おうとして臀筋群に効かないので、軽めの重量でケツを収縮させるのを意識すること。自重だとこんな感じ。この動画イイネ! 是非音声も聞いていただきたい(ヒップスラストは5:45くらいから)。



ハムストリングスは、ルーマニアンデッドリフト(RDL)など。股関節の伸展でハムストリングスに効く種目が良いだろう(レッグカールは膝関節の屈曲なのでちょっと違う)。RDLは尻を後ろに引いて大腿四頭筋を関与させないことを意識。背中はタイトなままで。



★その他
普段の生活で良い姿勢を意識する。座りっぱなしは避けて、こまめに立ち上がって伸びをしたり、うろうろしたり軽くストレッチをしたりする。トレーニングのときだけ良い姿勢になっても、一日の時間の大部分を占めるのは普段の生活なので。



参考サイト:
15 Ways to Foam Roll
https://www.t-nation.com/training/feel-better-for-10-bucks
Neanderthal No More - Part 1
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-1
Neanderthal No More - Part 2
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-2
Neanderthal No More - Part 3
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-3
Neanderthal No More - Part 4
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-4
Neanderthal No More - Part 5
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-5


関連記事:
懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

肩の健康のために

膝の健康のために 

11/07/2016

バランスの取れたトレーニング種目の選択-メカニズム編-

本格的に全身のウェイトトレーニングを行う場合、一般的には以下のような種目を組み合わせることが多い。

スクワット(レッグプレス)、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂(ラットプルダウン)、ローイング、ショルダープレス、あとは腕と脚のカールやエクステンションなどのアイソレート種目。

一見バランス良く全身をトレーニング出来ているように見えるが、このようなプログラムの組み方では筋肉の発達がアンバランスになり、姿勢が悪くなったり怪我をしやすくなったりする。良いフォームで行っていたとしてもそうなる。

さらに仕事や勉強で座っている時間が長い場合、下の図のように座ることで悪くなりやすい姿勢を、トレーニングによりさらに悪化させる方向に筋肉が発達してしまう。(実際に自分がそうなった。なので現在、姿勢矯正のためのトレーニングを行っている)

以下、デスクワーク+一般的なトレーニングプログラムでどう筋肉のアンバランスが起こるのか見ていく。


★動作のアンバランス 
対になる動作をそれぞれ見ていく。図で赤くなっている動作が一般的なトレーニングプログラムでは強化され、青くなっている動作が弱いまま。

・股関節
内転と外転:スクワットやスモウデッドで内転はよく鍛えられるが、外転がほぼ鍛えられない。
伸展と屈曲:座りっぱなしで屈曲の筋肉は固く縮みやすい。スクワットやデッドリフトでは臀筋群がそれほど使われず、臀筋群が弱い場合が多い。
内旋と外旋:内旋を行う筋肉が強くなりやすい。

・肩関節
水平方向の内転と外転:ベンチプレスで内転は鍛えられるが、外転が全く鍛えられない。
伸展と屈曲:懸垂で伸展が鍛えられるが、屈曲が全く鍛えられない。
内旋と外旋:大胸筋も三角筋前部も広背筋も内旋を行う。従ってベンチプレス、ショルダープレス、懸垂では内旋を行う筋肉ばかりが鍛えられる。外旋の動作が全く鍛えられない。


・肩甲骨
挙上と下制:デッドリフトや懸垂で下制はするが、広背筋が支配的になってしまって僧帽筋下部など細かい制御を行う筋肉が働いていないケースがある。
内転と外転:ベンチプレスで内転の動作(肩甲骨を寄せる)。ローイングは内転を鍛えられるが、外転は鍛えられない。一般的には内転も外転も弱く、特に外転の動作が全く無いので外転で使う筋肉が上手く働かない。
上方回旋と下方回旋:あまり動きがない。どちらかに寄って動きにくくなっているケースがある。
前傾と後傾:猫背や身体の前側に重いものを持つ(アームカールなど)ことで前傾しやすい。

肩甲骨の動きについてはこのサイトがわかりやすい。



★筋肉のアンバランス
赤い部分が強くて固く縮こまってる。
青い部分が弱くて伸びている。
ハムストリングス(紫色)は一般的には弱くて固い。

・股関節
- 内転と内旋が強いことで大腿骨が内側によれる。膝を痛めやすくなる。
- 座りっぱなしで屈曲の筋肉は固く縮みやすい。腹筋と臀筋群が弱く、脊柱起立筋群と広背筋が強いので、骨盤が前傾し、腰椎が過度に伸展する。腰椎が過度に伸展すると腰を痛めやすい。また内蔵が前に押され、下腹部がぽっこり出る。

・肩関節と肩甲骨
- 水平方向の内転と内旋が強いことで猫背や巻き肩になる。座りっぱなしでも猫背や巻き肩になりやすいので、筋トレでさらにこれが悪化する。
- 伸展と肩甲骨の前傾と猫背により、上腕骨の骨頭と肩関節のソケットの接点がずれたり、衝突無く動かすためのスペースが少なくなったりして肩を痛めやすくなる。
- 肩甲骨の外転動作が行われないので前鋸筋が働かなくなり、腕を上げたりする時の制御が不安定に。


各関節は連動するため、一箇所の関節がおかしくなると他の関節にも影響が及ぶ。例えば、腰椎が過度の伸展をする(腰が反りすぎる)と、そのままでは上体が後ろに仰け反って倒れてしまうので、胸椎を前に曲げる(胸椎を過度に屈曲する)ことで重心のバランスをとる。そして胸椎が曲がると視線が下の方に向いて前が見にくくなるので、頭を起こす(頚椎を過度に伸展させる)。

怪我の発生リスクは、関節の強度や重量やボリュームやアンバランスの度合いなど個人の状況によって異なってくるので、一般的なトレーニングプログラムを行っているからといって必ず怪我をするわけではないけど、アンバランスが大きくなるとそれだけ怪我のリスクが上がるので、怪我をなるべく避けたい場合はバランスを整えるためのエクササイズを行ったほうが良いだろう。具体的なエクササイズ例は次の記事で書く予定。

次の記事: バランスの取れたトレーニング種目の選択-エクササイズ編-


参考記事:
Neanderthal No More - Part 1
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-1
Neanderthal No More - Part 2
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-2
Neanderthal No More - Part 3
https://www.t-nation.com/training/neanderthal-no-more-3
Neanderthal No More - Part 4
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-4
Neanderthal No More - Part 5
https://www.t-nation.com/workouts/neanderthal-no-more-5


関連記事:
懸垂のやり過ぎによる怪我リスク(肘と肩)

肩の健康のために

膝の健康のために